従業員の解雇

お客様の声・解決事例

――不況は深刻になる一方で、能力不足や勤務態度の不良の従業員を解雇したいと考える経営者は多くいます。

従業員を解雇することは、経営者が考えるほど簡単ではありません。「病気で元の業務を遂行できなくとも配置可能な業務を検討すべきである」とか、「平均的な水準に達していないというだけでは不十分であり、著しく労働能力が劣り、しかも向上の見込みがないという場合でなければならない」などとして解雇を無効とした裁判例は珍しくなく、能力不足や勤務態度の不良という理由で従業員を解雇する場合のハードルは、極めて高いものです。業務命令違反の労働者に対する4回のけん責(戒告)後の解雇を無効とした裁判例もあります。

――でも、整理解雇の場合ということになれば、ハードルは低くなるのでは。

抽象的にはそう言えそうですが、(1)人員削減の必要性、(2)解雇回避の努力、(3)被解雇者選定基準の妥当性、(4)労使交渉等の手続の合理性が要素とされ、実際の裁判例では、経営者が考えるより厳格に判断されるため、解雇が無効とされた事例が少なくありません。

――身近な具体例はありませんか。

札幌地方裁判所の事件ですが、出張旅費の着服で懲戒解雇された従業員からの退職金の支払い請求に対し、約540万円の支払と認めた裁判例もあります。経営者の立場で考えると、裁判所の判断は複雑怪奇というほかないかもしれませんが、現実は現実として受け止めなければなりません。

――ほかに留意しておくことはありませんか。

契約社員の雇い止めが無効とされた事例、解雇せずに退職勧奨したのに退職強要として不法行為にあたるとされた事例などがあり、留意すべきことは山のようにあります。
また、解雇を通知したことを契機に労働組合が結成されることもあります。円満に協議していく内容の書面であると思って署名捺印したら、何事も組合の同意がなければ決められなくなってしまったとか、「団体交渉に社長を出席させろ」「決算書を提出しろ」と要求され応じざるを得なくなった事例もしばしばみられます。経営者としては、これまで体験したことのない団体交渉に出席して対応するだけでも大変なことでしょう。
こういった問題に加え、証拠の確保という観点からの心構えもありますので、壊滅的な事態にならないよう専門家の意見を聴きながら一緒に事を進める必要があります。ぜひ法律相談をご利用下さい。

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